木村硝子店のグラスと私の日常/082

木勝 0901 10ozタンブラー

木勝 0901 10ozタンブラー

夏、冷たく冷やしたビールをコンパクトグラスに注いで味わうのも悪くないが、
今年の僕は、タスマニアのジンソーダーに夢中だ
それも木勝 0901のタンブラーを使って
タスマニアのマクヘンリー・ドライジンの炭酸割り

まず、切子が施された底辺のラインまでタスマニアのジンを注ぐ
そこによく冷やした炭酸水を同じく切子が施された上部まで注ぐ
氷を使わず、かき混ぜることもしない
そっとグラスの口元に触れると、冷涼感が薄いグラスを通して唇に伝わる
思わず一口飲むと、清涼なミントやオレンジピールが口の中に広がる
そこにはしゅわしゅわの泡と共に、
至福の瞬間が訪れる

木勝シリーズは、近代日本文学を彷彿させる
小説のページをめくるように、一杯のジンソーダーを飲み干すと
今日の出来事が思い起こされる
50歳を過ぎて、器を愛でつつ、酒を味わうことの贅沢さを実感している

 

text:唄 淳二(ヴァイアンドフェロウズ(株) 代表取締役)
HP www.vaiandcompany.com