木村硝子店のグラスと私の日常/085
"シャンパンと京料理"と言うコンセプトでオープンして以来、食前酒はこのグラスでシャンパンをお出ししている。
京料理だと朱塗の引盃で一献、日本酒だったり、季節のお酒がつがれる。それをうちではシャンパンで一献。
やわらかでなめらかな形状にシンプルな波のような切子が美しい。
お料理がはじまる前に冷たいシャンパンで乾杯されるお客様。このクープのグラスならではの姿がそこにある。
仕事がら色々な器を使うので、いつも思うが、どうしてこの形でこのデザインのカットになったのか。
けどその答えは毎回使うことで感じることになる。
良いものは良いのだ。
text:岩崎 道一(祇園『いわさ起』主人)