木村硝子店のグラスと私の日常/081
グラスを置いただけなのに、お花を飾っているような気持ちになるのは、輪郭が植物のように美しいからでしょう。
一目惚れでした。
お酒を注げば、明かりを灯しているような気持ちにもなります。
日本酒やワイン、炭酸水や冷茶を入れて楽しんでおりますが、カクテルを作れる人ならきっと、もっと多彩な表情を見ることができるのでしょう。このかたちに惹かれた者としましては、それが心底羨ましいと存じます。
いま、私の手元にあるグラスは、作ってくれた人たちや、運んでくれた人たち、その人たちを支える人たちといった、多くの人の手を経て届けられたものです。
細いステムも、よくぞ折れずに国境を越えてきてくれました。
こういう、ご縁に支えられてようやく成立しているかたちを見ていると、製品の存在に関わってきた人たちに感謝をしたくなります。
ありがとうございます。大切にします。
text:近藤 海(木村硝子店スタッフ)