木村硝子店のグラスと私の日常/089
私は1976年創業の神保町の喫茶店を生業にしております。創業からとても大切にしている1つに店名のトロワバグというロゴがあります。
今では考えられない手書きのフォントのロゴ。お化け屋敷のタイトルのような字体。子供の頃はこのロゴが怖くて嫌いでした。
しかし、先代の母から継ぎお店に立ち続けていくうちになんとも愛着が湧いてきて、このロゴでお客様に愛されるお冷グラスを作りたい。木村硝子店さんにご相談をして、トロワバグコップが誕生しました。
可愛らしくカジュアルなマルコのコップに真っ赤なおどろおどろしいトロワバグのロゴ。このミスマッチがなんとも愛らしい。これにお水を注ぐと真っ赤なロゴが浮き出てきてユニーク。そしてお水の透明感が増して美味しく感じるのです。
若い女子達が喜んでこのコップの写真を撮ったり、とにかく大人気。時代の流れの変化の中で偶然生まれた素敵なコップ。気取らないけれどちゃんと存在を主張するマルコがとってもお気に入りです。
text:三輪 徳子(カフェトロワバグオーナー)
Instagram @troisbagues