木村硝子店のグラスと私の日常 /020
ふっくら丸みをおびたボディに繊細な短めステム。
わずかに反ったリムはごく薄の口当たり。
背伸びして買ったワイングラスは食器棚に入らなかったりして、箱にいれたまま使わなかったりもするけれど、このグラスは、普段の食卓にも溶け込んで、“うち飲み”を贅沢時間に変えてくれる。
「ビール/ワイン」とあるように、どちらでも。ビールなら350ml缶がちょうどで、琥珀の液体にバランスよく泡を残した姿は、ビール会社のCMのよう。注いだだけでちょっとした満足感、仕事の後、緊張から癒される瞬間だ。
ワインなら、赤白問わず。普段飲みのカジュアルワインはもちろん、贅沢なワインも十二分に楽しめる。私はこれでシャンパーニュを飲むのも好き。超美人なのに親しみやすい。けれど、ご機嫌に飲んで雑に扱うと、やすやすと割れるのが玉にキズ。
text:神田 賀子(料理家)
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