木村硝子店のグラスと私の日常/048
いつから使っているか分からないくらい長く使っていて、今さら何が良いのかと聞かれても一言では言うことができないくらい手放せないワイングラスなんです。
我が家ではいつもこのグラスです。
子どもたちも物心がついた時から使っています。
お水も麦茶もワインもウィーン135です。
キャンプにも持っていきます。
ワインを輸入する立場からみて「このグラスを輸入するんだ!?」「日本で同じ型で作れるんじゃない?」と思うけれどメイド・イン・イタリーのオリジナルを輸入する木村硝子店のコダワリがここにあると思いつつ、すごいなぁと思ってしまうわけです。何も知らなければ普通のコップですし。
最初は他の似たようなコップでもいろいろと試してみましたがダメです。味がバラバラになる。ワインの味がまとまるのがウィーン135。
決して高級なワインではなくて、その土地で毎日飲まれている地酒的なワインを。北イタリアのワイン生産者の所へ訪問したときに当たりまえのようにこのグラスが出てきた時には思わず嬉しくなったのと同時に食事が進み、グビグビと飲んでしまいました。
毎日の食卓にあって "食事を過ごす人たちとの楽しい時間" という本質的な豊かさを教えてくれるワイングラスなんです。
text : 大瀧 忍(ワインインポーター/株式会社ラフィネ)
Instagram @raffinewine