木村硝子店のグラスと私の日常/057

アビタ Pi 565

アビタ Pi 565

職業柄いろいろなワインを口にしていまして、ワインを試飲していると「あ!アビタで飲んでみたい」と思うワインに出会うときがあります。

木村硝子店にしては珍しく葡萄品種や産地に特化した名前が付いているアビタシリーズ。中でもこのPiはワインをまる裸にしてくれるんです。
ワインの味をまとめるグラスではなくて、味の核となる部分だけをスッと引き出してくれる。香りの時点でその違いを知ったときはちょっと驚きました。
そして、グラスのボールを持つか、慎重にステム(脚)を持つか、はたまた台座を持つかによってもワインの表情は変わります。特に台座を持つと不思議とグラスをクルクル(スワリング)したくなると同時に、ワインがグラスの中を綺麗に回ってくれます。

どんなワインなんだろうか。このグラスを使うとワクワクすると共に緊張もします。
美味しくなるとは少し違う、ワイン本来の姿を浮き彫りにしてくれる、とっても面白いグラスなんです。

text : 大瀧 忍(ワインインポーター/株式会社ラフィネ)
Instagram @raffinewine

Shiro 50px