木村硝子店のグラスと私の日常/058
長野の小屋に置いてあるゴブレット。
鳥奏でる朝、焼きたてのパンとアイスコーヒーを入れ、
太陽高く蝉が鳴く頃は、氷と炭酸水を。
そして汗まみれの身体には、自家製レモネード。
レモンと共に身体に欲する成分を染み込ませ、
土まみれであろうと、この足つきのコップで飲むことが
心と共になんだか癒されるのである。
ひぐらしが鳴く頃は、土まみれを洗い、
夕暮れを見ながら、ビールを注ぎ、友と共に乾杯を。
肉が焼けた頃にはワインを注ぎ、
美味幸せな日々を語り合う。
星が出る頃には、ウィスキーを注ぎ、月明かりの中で
虫の声だけが響く。
text:宇南山 加子(株式会社 SyuRo デザイナー)
HP www.syuro.info
Instagram @syuro_tokyo