インゲヤード・ローマン COLLECTION
スウェーデンを代表する、
インゲヤード・ローマンさんによる全11種のデザインシリーズ。
デザインの源泉は日常の中に潜んでいる、と考える彼女のデザインは、まず「自分が使いたいもの、使い勝手の良いもの」を考えます。さらにそれが他の人にとっても使いやすければこんなに嬉しいことはない、と言っていました。そしてモノは使って初めて完成し、自身のデザインに価値が生まれると考えているのだそうです。
人にとって不可欠な「水」の存在
特にインゲヤード・ローマンさんが大切にしているものは「水」です。彼女は飲み水のことを「ギフト」だと言っていました。人間にとって不可欠な、最も大切な水の姿を、食卓で映し出すデザインが今回のシリーズのキーワードにもなっています。
余計な装飾はいらない
非常にシンプルでピュアなデザインについては、ガラスに冷たい水を注ぐと表面に結露が浮かぶ、また光を受けるとグラスと水の影がテーブルに落ちる、この結露の小さな水玉や、陰影もグラスの生みだすデザインなのだから余計な装飾はいらないのです。
佇まいのデザイン
例えばカラフェは中に水を入れたときの見え方や、その液体の量が減ってきても素敵に見える佇まいも考えられています。最後の一滴まで美しく見えることは大切なことです。重ねた時に蓮の花のように見えるTHE SETシリーズは収納したときにも美しく。
発表は2017年のInterior Lifestyle Tokyoにて。
発表時にインゲヤード・ローマンさんにインタビューを行った「ふむふむ、木村硝子店の仲間たち」では、今回のシリーズや制作についてお伺いしました。合わせてそちらもご覧いただけると、彼女のデザインに対する考えや思いがより身近なものになると思います。
ふむふむ、木村硝子店の仲間たち。
#07/インゲヤード・ローマン
Ingegerd Råman (インゲヤード・ローマン)
スウェーデン生まれ。
1970 年代から活躍し、Skruf (スクルフ)、Orrefors (オレフォス)といった、スウェーデンを代表するブランドにデザイン提供する他、 ストックホルム国立美術館、コーニングガラス美術館などでも展示を行い国際的なアワードも多数受賞。 アメリカのスウェーデン大使館のロビーにも作品が置かれる等高い評価を得ている。「使われて初めて自分のデザインの価値が生まれる」というものづくりの姿勢は、世界の人々の共感をよび、シンプルな中にも圧倒的な存在感を放つデザインで活躍を続ける。 2016 年には IKEAとのコラボレーションコレクションを発売。また同年有田焼の職人とのコラボレーション企画にも参加。インゲヤード・ローマンは、スウェーデン政府からプロフェッサーの称号、 スウェーデン王室から The Prince Eugen Medal を授与されるなど、 スウェーデンの誇りともいえるデザイナーである。